閉じた世界で見る夢

※娼館パラレルものなのでR18!高校生は見ちゃ駄目ですよ。

※菊さんがちょっとお馬鹿で世間知らずです。

※というか、一見普通なんだけど、ネガにポジな感じのいっちゃってる子です。

※描写は少ないですけどR18ですから!

※エロ描写が少なくなるようにすごく逃げたけどR18ですから!

※実質19才以上ですか? ではどうぞ。















あまり馴れ馴れしい事をしても、飽きられるかもしれない。
手懐けていく感じがいいってあの人言ってたから。

でも、窓からあの人が連れだって来るのが見えたから…。
お出迎えなら他の子もやっているし、部屋に籠もりきりはよくないって言われてるし…。
自分に言い訳しながら菊は部屋をでた。
羽織り代わりにきている女物の着物をたくしあげて歩く。
裸足にふかふかとした絨毯がふれて気持ち良い。
だけど、出なければよかったと後悔した。

あの人が優しくしたのは、私がやっていけるか心配した皆のせいだった。
おかしいと思った、あんな風に優しくてあたたかい言葉を綺麗な花を、人形のようだと言われる無愛想な私にくれるなんて。
ああ、だけど、あの人がいつか離れても残るものさえあれば大丈夫。
ここを出ていった姉さまに教えてもらったこと、やってみているけれどいつ叶うかはわからなかった。
あの人はたくさんたくさん菊の中に出してくれるのに、どうして赤ちゃんは出来ないんだろう。

   *  *  *  *  *

フランシスが言った、お前のテクのおかげで菊ちゃん評判いいよと。
「前から可愛いけど、セクシーになったよね〜」
ヴェーと菊の同輩がニコニコと相槌をうつ。
「やっぱり恋すると変わるよなあ。表情出るようになって色っぽくなったってもっぱらよ。」
ありがと、と菊の世話係だったフランシスは手をふって、馴染みであるサディクの友人と部屋へ消えた。
「サディクさんは今日も菊だよね〜?待ってたみたいだから喜ぶよきっと〜。」

菊を抱く他の奴らの話なんざ聞きたかねえが、待ってたってえのはまあ、悪かない。

   *  *  *  *  *

ひと可愛がりした後で、いつもならまどろんで長居するところをちょいとイタズラ心がもたげてきた。

「あ、駄目かき出さないで、あっ…や…んっ駄目ぇ…。」

入り口で、フランシスに他の男の評判なんてものを聞かされたせいかもしれない。
くったりとしどけなく足を伸ばす菊の足を開かせればきょとんとした顔をしている。
笑いかけて、まだ自分のもので濡れる後ろに指を入れれば良い反応だ。

「なんでぇ、垂れてきたら気持ち悪ぃいだろい?」
ん?と立ち上がってる先を吸いあげれば、ひあんと小さく悲鳴をあげていってしまった。

いつになっても感じやすい体が可愛いらしく、俺の手の内で翻弄される様が愛おしく、菊は俺の庇護欲と独占欲を最大限に刺激する。
話に聞く東の果ての国の少年、人形のような表情が苦痛と快感に歪み崩れるのがいいんだと聞かされ試しにと抱いてみりゃあ、大当たり。
娼夫に言うにゃあ毒でしかない甘い睦言愛の言葉を散々吐けば、菊はいつからか頬を染めてはにかんで俺を受け入れた。
そして、俺の吐いた言葉は全部真実、俺の芯からの言葉になっていた。

いつから春を売っているのか年はいくつか何人に抱かれた好いた相手はいたのか…、気になることは山ほどあった。
男娼の過去を気にするなんざ野暮にも程がある、ンな事はわかってる。
睦みあいに水を差すのは嫌で、やっと聞き出せたのは菊という名は本当の名ということだけ。
せめて未来は俺のもんだと他の客をとる隙がないほど通いつめ、それでも客がついた跡があったなら余力が残らぬよう散々なかせた。
嫌われるかなと思ったそれでも、そのままで入れてとぎこちない媚態でねだる菊に、ああこいつは男娼だったとのぼせた頭に冷や水を落とされる。
けれど安堵した。
金さえありゃあいいんだ、こいつは俺を離さない。
愛してるという言葉に隠しきれない独占欲を、菊はわかってるんだろうか。
わかったうえでのこの愛らしい振るまいなら、まったく大した小悪魔だ。
ぐちゃりと指でかきまわせば、まだ欲しいとばかりに絡みつく肉壁。

気持ちいいだろうと囁けば、いやいやと泣いてしゃくりあげる。

「ど、して…いつもそんなのしない、のにぃ…あ、んゃっ」
「たまにゃあ、綺麗にしてやろうと思ってよ。なあ泣くなよ、ここだってこんなに疼いてもっとしてって言ってるぜ。」

「だってだって…いっぱいせぇし、あんっもらえ、た、のにぃっ」

奥の良いところを探りながら袋を手のひらで擦れば、ピクピクと身を揺らして可愛い事を言いやがる。俺を止めようと腕を力なく握り涙に濡れて哀願する表情は清らかだが、俺が触るたびに湧き出す快感に赤くなる頬と開かれた足、そして吐精したばかりのなまめかしいそれはあまりに淫らで背徳感が増す。
ははと笑って俺はにやける自分を自覚する。

「じゃあまたいっぱい入れてやるよ、菊ん中にたっぷりな。」
言うやいなや自分の竿をねじ込めば、今度こそ嬌声があがる。

「嬉しいか?菊の中にたくさん出してやる奥の奥まで、溢れかえるくれえな。」
「あああ、さでぃくさっ…うれっし…あぁん…たくさん、たくさんくださっあぁ…んっやっあっ」

   *  *  *  *  *

今日はすごくたくさんしてもらえた。
いっぱい触ってくれていっぱい入れてもらって口にも下にも出してもらえた。
嬉しい。
夢みたいにたくさんたくさん抱いてもらえた。
こんなにたくさんサディクさんの精子を呑んだんだからきっと赤ちゃんも出来るはず。
そうしたら、皆にもサディクさんにばれないようにしなくっちゃ。
姉さまが言ってた、お客さんは子供が出来るの嫌がるって出来ても自分の子供だって信じてくれないって。
信じてもらえないのは仕方が無いですよね、他のお客さんにも抱かれてるから。
そのままで入れてってお願いしたのもお口でするのもあなただけなんて、本当の事でもきっと信じてもらえない。
それくらいは私だってわかるんです、このお仕事して長いんだもの。

だけどいいんです、少しだけどお金はあるもの。
ここを出て、お金を持って南の街の教会に行けば産ませてもらえるって姉さまいってたもの。
早く赤ちゃん出来ないかなぁ。
そしたら、飽きられたって、ひとりじゃなくなる。
サディクさんが来てくれなくても寂しくないもの。

09.03.11