☆トルコさん独白。
わりとなんでも食べますよ?
嬉しそうに笑うあの人に食われたいと思った。
俺の血肉なにもかも全部あの人のもんになりゃいい。
あの人を独占することができないと知っているから。
ならばせめてと考える、らしくもなく後ろ向きだ。
だけどなぁ、仕方ねえだろう。
あんなでっかい綺麗なお日さんを、閉じ込めるなんざできゃしねえ。
例え国土全部を焼き払っても切り刻まれても吹き飛ばされても、あの人のド真ん中にある魂は消えねえ。
まっしろでもまっくろでも何にも染まらないだけど何もかも受け入れる透明な光。
夜の海から恐怖と毒気を抜いて俺を救い上げたあの熱源。
どんだけ歪んでも痛んでも嘆いても、いつのまにか歩き出すのだあの人は。
誰かのために、そう自分の中にある命のために。
その象徴たる花は、咲いては散り、また咲いて。
その手に守る花は、季節の終わりに咲く花で、命の眠りを見届ける花で。
ああ命の終わりと始まりを体現するひとよ。
愛しい愛しい、太陽のひと。
お前さんのように優しい太陽を、俺は知らねぇ。
焼け付く日差しでなく、命育むお日さんよ。
あんたが育む命ではなく、あんたを生かす命そのものに、俺はなりてえ。
☆勢いで書いたもの
日さま独白「あなたさえいなければ」
あなたがいなければ私もっと冷静でいられるのに
ドキドキして落ち着かなくて慣れないお洒落とか、いい年して電話の前に深呼吸とか、あなたの国の料理の本を買ってみたり、あなたが美味しいと言ってくれた料理の材料はいつもキープしておいたり、出かける度あなたにお土産とか考えてしまったり、暇さえあれば携帯を見て一喜一憂、原稿書いててふとあなたと私に当てはめてしまって私の嫁たちにそれなんて冒涜!とか自己嫌悪!
あなたがいなければかっこつけて気をはって必要以上に消耗したりしないのに
友人とあなたの接点に、私を慕ってくれる可愛い彼との過去に、ヤキモキしたりせず心穏やかな寛容な温厚な人間でいられるのに
あなたなんかあなたなんかいつも私の気持ちも知らずに笑って甘い言葉を吐いて私を居たたまれなくさせて
なんてひどいひと
あなたなんかあなたなんか
あなたさえ居なければ私ずっと平和に平凡に生きていけたのに
ひとりでだって、心さえ穏やかなら幸せでいられたのに
あなたなんかあなたなんか
あなたさえいなければ
だけど
あなたがいないと私はきっと死んでしまう
こんな私知らなかった
こんな私にされてしまった
こんな私にしておきながら
あなたはあなたは…あなたなんか!
あなたなんか知りません!
トルコさんの ばか!
喧嘩なんかしてないで
甘い言葉ばかり吐いてないで
腹をくくってはっきりしなさい!
友達恋人愛人
私とどうなりたいっていうんです!?
自慢じゃないですが、空気は読めてもあなたの心は欠片も読めやしないんです!
どうしていいかわからない、こんな状況はもう耐えられません!
☆日さま独白
「ただひたすらに」
昏々と眠りをむさぼりたい
春を待つ土の下の獣のように
けれど何も待ってはいない
ただ眠りたいのだ そう
あなたの熱にくるまれて眠りたい
母の腕で眠る幼子のように
幼子にとってその場所が至福であるかのように
確かにあなたの腕は私にとって至福であるかに思えるのです
だからどうか
そんな風に優しい顔で両手を広げて私を誘惑しないで
あなたの手を取りたい衝動を必死に堪えているのに
一度知った安らぎに抗うことはとてもとても難しいのです
どうかどうか
そんな風に甘い声で両手を広げて私を誘惑しないで
あなたの胸にまっすぐ飛び込んでいけたら
そんな至福の夢に溺れたいと願ってしまうのです
私はまだ 今まで生きた時間よりもっとずっと
ここに 在らねばならぬのに
あなたの 胸で
あなたの 内で
永遠に眠りたいと思ってしまう
あなたという存在が
私はとても恋しくて
そしてとても恐ろしい